WordPressサイトを高速かつ安全に運用するためには、定期的にPHPのバージョンを最新の推奨バージョンに保つことが非常に重要です。
本記事では、バックアップ取得から動作確認、エラー対処法まで、PHPバージョンアップの具体的な手順と注意点を、初心者にも分かりやすく解説します。
目次
なぜPHPをバージョンアップする必要があるのか?
- セキュリティの向上:古いPHPバージョンは脆弱性が修正されず、攻撃のリスクが高まります。
- 表示速度の改善:PHP8系は、PHP7系に比べてパフォーマンスが大幅に向上しており、ページ表示速度の改善にもつながります。
- WordPressの互換性維持:WordPress本体のアップデートに伴い、対応するPHPバージョンも引き上げられています。PHPは毎年新しいバージョンがリリースされるため、年に1回はアップデートを検討するのが理想的です。

なお、WordPressの管理画面に「PHPの更新を推奨します」と表示された場合は、速やかに対応を検討しましょう。
WordPressのPHPバージョンアップ手順【事前準備】
0. 作業する日程を決める
何かあった時のために、クライアントと日程を決めておきましょう。
作業中のアクセス集中を避けるため、夜〜早朝の時間帯に実施するのが理想です。
ただ、夜〜早朝だとクライアントにすぐ連絡ができないので、アクセス数が少ないサイトは日中行うことも検討してください。
1. サイト全体のバックアップを取得
- サーバーの管理画面からデータベースとファイル一式をバックアップ。
- 必要であれば「All-in-One WP Migration」などのプラグインを使用します。
2. サーバーの推奨PHPバージョンを確認
例:Xserver(エックスサーバー)の場合
- 管理画面の「PHPのバージョン切替」機能で確認可能です。
- 推奨バージョンには「推奨」と表示されているので、それを選びましょう。

3. テーマ・プラグインの対応状況をチェック
3.1 テーマの事前チェック
- 有料テーマ:販売元が公表している「対応PHPバージョン」を確認してください。
- 自作テーマ:ローカル環境でPHPをアップデートし、エラーが出ないか
wp-config.php
のデバッグモードをONにしてチェック。
3.2 プラグインの対応チェック
- WordPress公式プラグインページ右側に「検証済み最新バージョン」の記載あり。
- PHPの最低動作バージョンは書かれていても、最新版対応かどうかはWordPressのバージョンで判断。
- 参考リンク:WordPressのPHP対応バージョン一覧

4. ローカル環境で事前テスト(推奨)
- Localなどのローカル環境ツールでは、PHPバージョンを柔軟に切り替え可能。
- 本番アップデート前に、テーマやプラグインの挙動を確認しておくと安心です。

PHPのバージョンを変更する方法
5. サーバーのコントロールパネルからPHPを切り替える
例:Xserverの場合
- サーバーパネルにログイン
- 「PHPのバージョン切替」メニューから、各ドメインごとに設定可能
- 推奨バージョン(例:PHP8.2など)を選択し、適用ボタンを押す
PHPバージョン切り替え後に行うべきこと
6. サイトの動作確認
- WordPressの管理画面にアクセスできるか
- サイトのトップページ・固定ページ・投稿ページに表示崩れやエラーがないか
- お問い合わせフォームや各種プラグインが正常動作しているか
7. 不具合が発生した場合の対処法
7.1 サイトが真っ白になった(500エラー)
- すぐに元のPHPバージョンに戻すようにしてください。それで復旧できると思います。
wp-config.php
のデバックモードをONにしてエラー出力して原因調査します。
7.2 プラグインの不具合
- 該当プラグインを一時的に無効化し、代替プラグインを検討。
よくある質問(FAQ)
Q. PHPを更新するとSEOに影響はある?
A. 基本的には表示速度が改善されることでSEOにプラスになるケースが多いです。ただし、不具合によってページが正常に表示されないと逆効果なので、事前確認は必須です。
Q. ローカル環境は必ず必要?
A. 必須ではありませんが、安全に検証するために推奨されています。LocalやMAMPなどの無料ツールで環境構築できます。
まとめ:安全にWordPressのPHPをバージョンアップしよう
- 最新のPHPバージョンはセキュリティ面・速度面で大きなメリット
- 必ずバックアップと事前検証を行うことが重要
- 不具合が出たら慌てず元に戻すことも可能
WordPressサイトの健康を保つためにも、定期的なPHPバージョンチェックを習慣にしましょう。